2/19 御前崎セミナーSpecial RooTsへの道 〜師との出会い編3〜

2/19 御前崎セミナーSpecial RooTsへの道 〜師との出会い編3〜

(前回からのつづき)
マイクを前に言ってしまった。

「なんかこの先生のことが気に入らなかったんでどんな人なのか確かめるのに来てみました。」

文言は完全に一致していないと思うがそのようなことを言った。

静まり返る会場(苦笑)

かなり大きな部屋だったので余計に引いた感じが怖かった。

でもこのセリフを言った時、僕は一番後ろに座っていた鈴木先生と目が合った。
というか目を合わせて「それ」を言ったのだった。

そこでの鈴木先生の反応はといえば・・・こっちを見てニヤリとしたのを覚えている。

直感でわかった。
この先生はプロレスが好きだからわかってくれてる。
でも半分本気、半分はプロレス。
失礼なことには変わりない。


実はこのアングルの仕掛け人は藤沢先生だった。

プロレスファンであればわかるだろうが鈴木先生が猪木なら藤沢先生は新間だ(笑)
物事がおもしろくなるには裏に必ず仕掛け人がいるのが大人の世界。

前の晩に藤沢先生から提案があった。
「嫉妬ね、あの人とコトー先生は仲良くなれるよ、本音で直接言ってしまえば?大丈夫大丈夫(笑)」
セミナーで講師に喧嘩を売るなんて考えられなかった。
しかし一晩考えて藤沢先生の仕掛けに乗ってみた。

そこで出た言葉が冒頭の言葉だった。

今思えばそのことが僕の人生をすこしだけ違う方向に持っていった瞬間だった。


もちろん僕の言葉で会場の一部の人は凍りついて(苦笑)しまったがそのままセミナーは普通に始まった。
始まってもまだ心臓の鼓動は早かった。

こんな人数の前でマイクを持って喧嘩をふっかけるなんてほぼアメリカンプロレスじゃん(笑)
自分の突飛な行動が可笑しかった。

そしてそのスタイルマスターセミナーの本当の面白さはおそらくあの会場にいた数人しかわからなかったと思う。

でもそれで良いんだ。
だれも辿り着けないブラックオーシャンを狙え。
治療家3.0を目指せ。
100人いたら2人か3人だけ味方になるような攻め方をしろ。

今でもあの日のことをよく覚えている。
鈴木先生はそういうマインドも伝えてくれた。


とにかく面白かった。
鈴木先生の話すことが新鮮な驚きを呼び覚ましたり俺だってとっくにやってるよというライバル心がむくりむくり。
どっちにしたって整体の業界に入ってこんなワクワク感を体験はしたことがなかった。

少しだけメジャーになりたいくせに「圧倒的マイナー感を感じていた僕」は「鈴木先生が持つメジャー感たっぷりのマイナー感」の真髄を吸いたくなった。

とにかくこの人に触れたい。
でも嫌だ、嫉妬の気持ち。

とにかく話したい。
でも見透かされるだろう。

とにかく横に行きたい。
でも怖い。

セミナー中そんなことを考えて葛藤を抱えたまま懇親会の席に移ったのであった。

〜つづく〜