久しぶりに中野に行ってみた。
相変わらず雑多な雰囲気が何とも言えない。
15、6年前には中野にすごく親しい人がいたのでよく飲みに来ていた街だ。
最高の魚を出す店があってよく行っていた。さっき寄ったらまだあってホッとする。
そういやあの頃はまだ会社員やってたな。
今日はあの!中野ブロードウェイに入っている時計屋に用事があった。
中野ブロードウェイにはなぜか良い時計屋が何軒か入っていてその中の一軒。
この店で7年前に買った時計のメンテナンスを。
この時計は非常に気に入っているので一生もんにするつもり。
これは僕が日吉で開業した年に自分への記念として買った大事な時計。
開業した時の気持ちを忘れないためと開業してからの時を刻み続けるために手元に置きたくなったのだ。
あの頃はやっと独立が実現して満足感を得ている…はずだったのだが、現実はとても厳しく何の保障もない状態に不安定な気持ちの日もあった。
その気持ちを払拭するのに時計が思いの他役立った。
買うことで自分を鼓舞させた。
今考えてもやはりあの時に時計を買っておいて良かったと思う。
そして忘れもしない。
この時計を買った翌日に予約表が初めて全て埋まったのだ。
それからは予約の満員御礼が続き、逆に仕事漬けの日々。
なんだかこの時計が僕の運命をちょっとだけ変えてくれた気がしてならないのだ。
そんな時計だからこそしっかりメンテしておかないと。
よく見たら時計の表面にはだいぶ傷が付いていた。
しっかり使ってましたね、とニッコリしながら店員さんが僕の顔を見た。
7年間一緒に戦った後だもんな。
もしかしたら自分もこのくらい傷ついているのかもしれない。
しかしそれはとても気持ちの良い晴々とした傷だ。
そんなわけで時計の中のオーバーホールに加えて時計を磨いてもらうことにした。
出来上がりまで数週間。
ピカピカになるであろう相棒と再会するのが楽しみ。
これでまたしばらく仕事も頑張れそうだ。

